〇はじめに
どうも、魔導王です。(命名:ダイヤさん)

先日開催されたAKIBA CSで、赤白魔導書を使用して4位という結果を残すことができました。
毎度のことながら構築自体はめちゃくちゃ自信作だったのに、先月の関東CS3連戦もウリエル杯も仕事が重なって出られなくて鬱憤が溜まっていたんですが、今回ちゃんと結果を残せて嬉しかったです。


今回の記事では、今大会環境の考察と、使用したデッキについてを記載します。

ミーリィちゃんはめちゃくちゃ好きなんですが、ミーリィ全然入ってないからミーリィ魔導書って呼ぶの抵抗あるクソ面倒くさいオタク発症してて、でもピュアフロン型の魔導書もこの世界に存在するので、区別するために泣きながらミーリィ魔導書って呼びます(早口)。

〇環境考察
現環境はとにかく上位デッキの出力が異常であり、「普通に強い」くらいのデッキではまず土俵に立つこともできません。
そのため、まずはそれらのデッキをメタカードなりゲームプランなりで抑える必要があります。

今回、主に下記のデッキタイプを特に注意すべき仮想敵と考えました。

【リルフィ】
G17-008一応サ終まで遊んだ
異常な展開力と得点力を有しているデッキ。
初速3ターンのリソブから動くのは緑系のアークデッキと同じだが、出力面が異次元。
「普通に強いデッキ」の性能ではどうあがいても対抗することは不可能。
半面リソブ《どっかん》からの展開に全てを依存するため弱点自体は明確で、起動妨害、展開妨害、リソブ妨害で簡単に止まる。

対策すれば勝てるが対策しなければ逆立ちしても勝てないタイプのデッキ。コイツのことを考慮すると使えるデッキが一気に減る・・・というかこれに勝てるかどうかがスタートラインだとすら思う。

《ボンビクス》の流行で数が減ることは予想できたが、無対策で殺されるわけにもいかない。
B20-089


【ノーブル】
リソブデッキの代表格。
緑系デッキの中でもアークが迎撃除去を持っているため受けが強いのが特徴。リソ除去も相まって蓋性能が高く、半端なデッキでは詰め切れない。
《トリックサマーローリエ》という最悪の蓋も有しており、《ローリエ》1枚で詰んで終わりのデッキでは話にならない。

面埋めに対して《ジャンヌ》という回答を有している上、妨害もリソの枚数に任せて上から踏みつぶせるため、詰ませて勝つことが難しい。

対策するにはリソブメタが手っ取り早いが、緑で《ボンビクス》ミラーは不毛。赤いデッキなら一応《ゴシュナイトハンマーヘッド》があるが・・・。
B31-003
迎撃がアークしか無く動き出したターンであればそこまで硬くもないので、異常にリソースが伸びる前に詰め切ってしまえるデッキで対抗するのが楽。

【アグリィ】
E33-044
リソブしないデッキの中でも異常な連パン性能と突破力を有する環境最速のアグロデッキ。

《サマーレッスン》、《Make Your Day》の存在から再現性が非常に高く、先4キルは当たり前、こちらが適当に先3リソブしようものなら後手3キルすらしてくる。
《ベルゼブブ》とかいうバカのせいで面埋めは効かないし何故かハンドもバカスカ増える。
E10-032なんだこれは!

弱点は迎撃に弱いこと。とはいえ適当な迎撃1面くらいじゃ突破して殺しに来るが・・・。
あとリソースが伸びるわけでもなく起動展開がメインなので、起動封じでも止まりやすい。

母数は少ないが、練度が高い一部のユーザーが毎回上位に食い込んでくるため無視するわけにもいかない。
このデッキのせいで受けがないデッキ全ての人権が失われていると言っても過言ではない。

【姫君】
B41-054
最強オールラウンダー。
異常に早いわけでも異常に攻撃性能が高いわけでもないが、デュナミス送りで妨害も兼ねた良質な除去、白イベントや《闇夜》構えなどの受けの択、絶界《闇夜》による起動妨害、トラッシュやデュナミス回収による再現性の高さなど一通りのものを高水準に備えたデッキ。
《ピュアフロン》以外に明確に刺さるメタカードが存在しないので、構築段階での対策が困難。

キル速度自体は遅く、受けを闇夜の妨害と市場に依存しているため、ちゃんと状況解決出来るデッキであれば十分に勝ち筋がある。
ただしIGヒット《彼方》でドブンが起きうるため、いくら構築段階で有利を取ろうとしても破壊される可能性が存在する。キレそう。キレた。(予選先2IG黒彼方、本戦後手3IG黒彼方)



これらのデッキに回答を持てれば環境最強デッキの爆誕だと考えました。
そして、すべてに対する回答を搭載した上でボンビクスが効かないデッキとして赤白魔導書を持ち込みました。

〇デッキレシピ
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プレイヤー:ミーリィP
プレイヤー裏:ミーリィP EX

IG枠
4 x 月華の女神セレネ
4 x 魔導書∴零時の堕天使
4 x 魔導書∴真夜中のスカルム
4 x 白のゼクカー'21 ASK
2 x 貪食の聖獣オーラグーロ
2 x 会計士アルパイン

メイン枠
1 x 沈魚落雁の美女 小喬(スタートカード)
1 x ミーリィ 見える景色のその先へ(スタートリソース)
4 x 魔導書∴雲霄の毒蛇
4 x 魔導書の蒐集者 セリオン
4 x 叡智の魔導書工房 セリオン
4 x 魔導書∴紫雲の雷公
4 x 魔導書∴陽光の怪鳥
4 x 魔導書∴東雲の天使
4 x 可愛いディーヴァ ミーリィ

デュナミス
1 x 輝ける『僥倖』イナンナ
1 x 厳門の『苛烈』イガリマ
1 x 狡猾な炎の神ロキ・レーヴァテイン
2 x 粗暴な海の神 戸塚 尊
1 x 唯我の神意 ナナヤ
1 x 果てなき宙へニグたん&テオゴにゃん
1 x 唯我の神意 ナナヤ
1 x 無戦の神姫 ルルイユ
1 x 退廃の神姫 ナトコ
2 x 【顕誓『愛邪精神』】ニャルラト
1 x しふらじ!収録中 エンジュ&ミーリィ
1 x 「SHiFT」夢を描こう!
1 x カードデバイスの変革者

1 x 湯上りのお楽しみ
1 x ワールドコンダクター ポラリス

〇魔導書パッケージについて
「魔導書」は、2種の《セリオン》が持つ手札を捨ててドローする能力と、捨てられた時に発動する能力を持つ魔導書ゼクス達を軸に戦うデッキです。
B38-001-01B39-007-01
セリオン自身はブレイバー単ですが、その他の魔導書全てはブレイバー/ギガンティックの混合種族で構成されています。
展開、受け、妨害に秀でている上に動き出しも早く、種族テーマの中でも性能はトップクラスです。
以下魔導書の強みをひとつずつ解説していきます。

・《セリオン》からの《東雲の天使》や《紫雲の雷公》による低コスト盤面展開
B38-006-01B39-005
《東雲》と《雷公》は捨てられたときにたったの1コストでゼクスを展開できます。
パワーこそ高くはないもののアタッカーとして、面埋めとして、ディンギルやアバターの素材として優秀です。

《小喬》や《セレネ》などで低コスト登場させた《セリオン》から、さらに低コストでのゼクス展開を繋げていくことができます。
B19-003ブレイバーにだけ許された最強のスタートカード

・《東雲の天使》、《零時の堕天使》による受け性能の高さ
B38-004
《セリオン》の捨ててドローする能力は相手ターンにも使えます。
《東雲》は、同名ターン1とはいえ絶界貫通の全体バーンを放つことが可能で、アークゼクスを破壊できる11000点分のバーン値があれば適当な展開性能のデッキの攻めは簡単に拒否できます。

《零時》も数値はさほど高くはありませんが同名制限なくバーンを打てるほか、自分のゼクスも破壊できるため連パンが可能です。

・《雲霄の毒蛇》、《月華の女神セレネ》による最速後手2からの高速展開
B38-002B27-001
《毒蛇》、《セレネ》はどちらも相手リソース4枚から2コストで《セリオン》を射出できます。
余ったリソースを使って《東雲》や《雷公》を展開可能で、IGヒットに頼らず後手2で2点取ったりも日常茶飯事。

大抵のデッキの動き出しは早くて3ターン目であり、それよりも一手早く動けるアドバンテージは非常に大きいです。

・《雷公》、《怪鳥》による妨害
B38-005みんな大好きクソメタバード
《雷公》は能力登場時にチャージ除外する能力を持っており、早期から相手のスタートカードを除去できます。
トラッシュから回収して何度も使うことで、相手のアークゼクスを根絶やしにして機能不全に追い込むことも可能です。

《怪鳥》は相手ゼクスの能力登場に対するメタを持っています。
大抵の展開系アークゼクスの効果を止められるほか、展開を能力登場に頼る【リルフィ】に対しても強烈に刺さります。
40弾ゼクステンドドライブの受け登場を止められるため攻撃面でも優秀です。

これらが後手2から登場できるため、仮にリソブ系のデッキに後手を取ってしまっても先3リソブから動き出す前にスタカを降臨素材になる前に除外したり、アークゼクスや【リルフィ】の展開を阻害することができます。

・盤面埋めや起動封じが効きにくい
《東雲》の全体バーンは自ターンでも使用できるため、埋められた盤面の打開が容易です。
特に、《零時》や《スカルム》といったアイコン群は登場時の自動能力で《東雲》を捨てられるため、《闇夜》や《ピュアフロン》、《ローリエ》のような凶悪な起動封じに対する回答になります。
B40-047


強力な魔導書パッケージですが、難点もいくつかあります。

ひとつ目は、全体的にパワーが低いこと。
相手PSのアークゼクスや迎撃持ちゼクスの突破が難しく、テーマ外のアークゼクスやリソブからのディンギルに頼らざるを得ません。
一応魔導書のカードプール内に高パワーを出す手段や起動封じ自体はありますが、コストが重く使いにくいです。
B39-006コストも条件も除外デメリットも重い
E34-009コストが重いし絶界に無力

ふたつ目は、デッキの枠をめちゃくちゃ食うこと。
序盤からカード同士の繋がりが重要な上に、トラッシュのブレイバー枚数も参照するためテーマ外のカードに割ける枠があまりありません。
そのため限られたデッキ枠で、環境に叛逆するための適切なカードを採用することが重要になってきます。

今一番欲しいのは種族の合うアレキサンダーのアークゼクスですよろしくお願いします。

〇採用カードについて
・《可愛いディーヴァ ミーリィ
E33-043
射出できるゼクスには名称縛りこそないもののコスト帯が狭くしょーもない、除去範囲もチャージ依存する上に大したバーン値にならない悲しみのアーク。

しかし、このカードの真髄はチャージから《小喬》を登場させてディンギルやアバターの降臨素材にすることにあります。
これにより、一度効果を使用した《小喬》が簡単に再利用可能となり、ノーコストで《セリオン》が2回登場します。
ノーコスで《セリオン》を2回も出せると余ったリソースで展開し放題で、連パンもかなり容易になります。

《小喬》以外にも《セレネ》や《毒蛇》をはじめとした優秀な低コストが沢山入っているので、単なる絶界アタッカーとしてだけでなく展開補助としての貢献度が非常に高いです。

2種族のため、サポート面を魔導書と共有しやすいのも優秀。
《愛邪精神ニャルラト》にシフトしてトラッシュの魔導書を回収できるし、このカード自身も《愛邪精神ニャルラト》で回収可能。
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《カードデバイスの変革者》や《湯上りのお楽しみ》といったイデアドライブのコストになるため手札に複数枚引いても腐りにくいです。
E33-055つよつヨイデアドライブもどき

・《退廃の神姫 ナトコ》
E34-053
最強最強最強最強最強最強最強アバター。
《アークミーリィ》や《セリオン》の展開能力のおかげで簡単に降臨させられます。

《小橋》の効果を複数回使用すると当然手札の質も相応に求められますが、コイツの馬鹿手札補充のおかげで余裕でなんとかなります。

ライフ確認という行為自体も魔導書と相性が非常にいいです。
《零時》や《スカルム》がライフに入っていることを確認できれば、それらがライフから登場した時に《東雲》を捨てて全体バーンを打つことをゲームプランに組み込めます
特に起動を止めながら展開して殴ってくる【姫君】や、レンジで殴ってくる《ジャンヌ》などの、《セリオン》での《東雲》を避けながら攻めてくるに対して非常に重要な勝ち筋です。

チャージ射出は《小橋》ぶん投げるのが強いです。
相手にイデアドライブで除去されてもいいですし、通ったなら自分で《零時》で焼いて連パンしながら再利用します。

・《会計士アルパイン》
B15-044
主に【アグリィ】対策です。
《アークアグリィ》の射出も、《ベルゼブブ》による除去も自動なので、確実にアークからのアクションを止めることが出来ます。
《Make Your day》にはさすがに無力ですが、PSの《セリオン》や《怪鳥》を守ることに繋がるので抑止力として十分です。

【ベイン】や【イノセントスター】のようなほかの展開アークデッキにも当然有効です。
《東雲》や《アークミーリィ》で射出できるため盤面に用意しやすく、《怪鳥》と合わせて相手の展開に強く制限をかけられます。

・《貪食の聖獣オーラグーロ》
B21-045
緑相手に先攻リソブされた際の打開策です。
《アークミーリィ》や《東雲》の効果で射出しリソブ、《ナトコ》を組んでもう一度射出することでリソの枚数を追い付けに行けます。
《ナトコ》を組むことで相手ターンを耐えやすくなり、返しは増えたリソースでのキルが狙えます。

・《白のゼクカー'21 ASK》
E32-017
トラッシュかリソースにゼクカーがあれば、ライフ確認からの手札orチャージ補充ができます。

基本的に初手では使えないですが、どうせ1枚目に引いた白リソはスタリソ起動や《ナトコ》条件のために埋めるので大した問題はありません。
デッキを掘る性能が高いので、3~4ターン目くらいには大体条件達成できます。

《ナトコ》同様、手札補充とライフ強化として優秀です。
《ASK》効果起動→素材にして《ナトコ》降臨→《ASK》射出して効果起動、で馬鹿みたいにライフが強くなります。

・《しふらじ!収録中 エンジュ&ミーリィ
E33-064

トラッシュが1枚増えるため、《セリオン》や《東雲》のためのトラッシュ調整として地味に優秀。

パンプも中々にウザく、相手は攻めるための戦力を《セリオン》や《怪鳥》突破に割かざるを得ないので、ど真ん中に12000絶界で突っ立ってるだけで邪魔になります。

またアークのパワーが12000になることで、【姫君】のPS《シンフォニー》トークンのワンパン突破が可能になります。

〇回し方
1~2ターン目あたりは手札に《セリオン》、《毒蛇》or《セレネ》、《東雲》or《雷公》を揃えることを意識します。
《怪鳥》が刺さる相手なら《怪鳥》も欲しいです。
トラッシュが欲しいため、小型ゼクスはなるべく破壊してもらえるような配置を心がけます。

3ターン目あたりは、手札に抱えた上記カードで攻め込みます。
連パン性能がそこまで高いわけでもないので、ここで出来るだけ点を取っておけると楽です。

6リソースを迎えたら、《アークミーリィ》や《ナトコ》を使いながら、《小喬》と《セリオン》と各種魔導書で盤面と相手のチャージをめちゃくちゃにしてやります。

メタカードで蹂躙するのか、《雷公》でアークゼクスを根絶やしにして詰ませるのか、それともライフの強さを盾にしてさっさと殴り切ってしまうのか、ゲームプランの選択が重要です。
相手に応じた適切なゲームプランでボコボコにしてやりましょう。


とりあえず簡単に回し方を記載しましたが、序盤のハンドキープ基準と終盤の面展開が難しいらしいので、気が向いたら個別で解説記事を書こうとおもいます。

〇終わりに
正直、毎回トップメタデッキだと思って持ち込んでるのに皆全然魔導書使ってくれないし、果てには環境に存在しないデッキ扱いされるし、悲しいので使用者が増えてくれると嬉しいです。

アークゼクスに頼らない素のスペックが異常寄りのデッキなのでチューンし続ければ当分は使えると思いますし、損はしないはずです。

ここまで読んでくださりありがとうございました。